インド百景。

坂田マルハン美穂のインド生活通信

 
 

さて、本日はバンガロール・クラブにて、大晦日の夜を楽しむ予定だ。とはいえ、なにしろ昨日までは超健康的な日々を送っていたから、夜更かしする根性はない。カウントダウンのころには自宅に戻り、家で年を越すことになるだろう。

そして明日から、2014年が始まる。

達成可能な目標を、具体的に掲げて、自分のため、自分たちのため、世の中のためになることを、模索しながら実現していこう。

2014年があなたにとっても、いいことの多い一年でありますように。

アーユルヴェーダグラムとは、約5000年の伝統を持つインドの伝統医学であるアーユルヴェーダの治療、診療が受けられる施設だ。アーユルヴェーダの発祥地は南インドのケララ州であり、かの地には、数多くの診療所のほか、このような滞在型の施設が整っており、国内外から数多くの患者、ゲストを受け入れている。

今回も、ドイツをはじめ、スイス、フランス、カナダ、米国、コロンビア、ヨルダンなど、世界各地から訪れた人々が、滞在していた。

アーユルヴェーダに関する事柄は、こちらのサイトにまとめている。あまりわかりやすい体裁ではないが、ご興味のある方は、過去の記録などを中心にご覧いただければと思う。

今年は、一部のコテージが改装されていた。わたしたちは、改装済みのスイートに予約をいれていた。特にバスルームの使い勝手がよくなっていた。設備は極めて簡素であるが、建築物自体はケララ州から運ばれて来た伝統的な家屋。随所随所に独特の様式が見られ、興味深い。

が、一年で最も気温が下がるバンガロール。南国の建築では朝晩の冷え込みが少々堪える。といっても、最低気温は15度〜18度程度なのだが。我々は、防寒用の衣類も持参しているが、「インド=暑い」と思い込んで来たゲストも少なくなく、毎年「寒い!」という声を聞く。

朝な夕なに庭を歩く。

滞在中は、時間がたっぷりありそうで、しかし、それなりに予定が詰まっているから、退屈することはない。

午前と午後、1日に2回のトリートメント。その人の体調に合わせて配合された薬草を用い、患部をさまざまな方法で、癒す。

今回、わたしは肩と首筋の凝りを取るマッサージ、それから、温かなオイルを身体中に垂らしてもらうオイルバス、やはり額にオイルを垂らすシロダラなど、数種類のトリートメントを組んでもらい、受けたのだった。

トリートメントのほかに、ヨガ、瞑想、呼吸法のクラスが毎日ある。強制参加ではないが、特に呼吸法は学んでおくと、人生に役立つ。

風が通る、上階のスペース。お気に入りの場所。なぜかいつも、誰もいないので、ここを書斎代わりに使っていた。お気に入りのコーヒーと、チョコレートなどを持ち込んで。書き物をしようと思いつつ、今回は、ほとんど何を綴ることもなく。

今回、『シャンタラム』という小説を読んだ。これはもう、相当にインパクトのある本であった。ムンバイを舞台にした濃厚なストーリー。わたしたちが暮らしていた南ムンバイ、コラバの界隈が舞台の中心となっており、なじみの場所が頻出。親近感を抱きつつも、ストーリーの強烈さに圧倒される。

ムンバイとは、こういう街なのだ。だから、ひかれるのだな、わたしは。との思いを強くしつつ、読む。この本を、嫌悪する人もいるに違いなく、そういう人は、ムンバイにも多分、関心を持たないだろうと察せられ、これは人の「ムンバイ(インド)に対する嗜好を判断するひとつの素材」となる本だと感じた。

ちなみに夫は原作を数年前に読んだらしいが「好きではなかった」とのこと。推して知るべし。この本については、後日改めて、書き残しておきたいと思う。

『シャンタラム』(上/中/下)

食事は完全なヴェジタリアン。ケララ料理が中心だ。卵さえない。しかし、毎食、異なるメニューが並び、わたしは気に入っている。しかし、この超ヘルシーな食事が口に合わない人は、長期滞在は辛いだろう。わたしとて、1週間が限度である。最終日あたりから、「醤油成分」が恋しくなる。肉類は特に、欲しなくても。

ちなみに、ここに来ると「ヴェジタリアン料理は決して痩せない」ということを実感する。油脂が少なく、スパイスも控えめ、極めて軽めの料理にも関わらず、ついつい食べ過ぎて、毎年、増量して帰宅してしまう。お酒も飲まないのに。いかがなものか。と、いつも思う。なお、今年は食べ過ぎないよう少し心がけたので、「据え置き」であった。

年女としての2013年。いろいろあった。いつものことだが、いいことも、いやなことも、いろいろとあった。が、概ね、いい一年だった。

人生、なんにつけても、光と陰。いいことばかりが続いては、いいことの有り難みを実感できないというもの。だからこそ、不都合は、乗り越えてゆくべし。そうやって今まで生きてきたし、これからもそうやって生きてゆく。過去、その渦中にあるときには、相当に辛いと思っていたことですら、振り返ればすべて糧。今、元気に生きているのならば、大したことはなかったのだ。思い煩うな。と、自分に言う。

嫌なことは、基本、忘れたい。しかし、完全に忘れては、苦い教訓が生かされないので、ときどき思い出しては少々憤慨し、また忘れよう。

そんな次第で、よかったことだけを、書き留めておく。

・昨年創設したミューズ・クリエイションが、軌道に乗った。

・ミューズ・クリエイションがロータリークラブの国際親善賞を受賞した。

・ミューズ・リンクスを開始した。まだ序章だが、来年は軌道に乗せる。

・いくつかの意義深い仕事を通し、インドをより深く知ることとなった。

・米国のグリーンカード(永住権)の更新(10年先まで)が、完了した。

・バンガロール郊外にもう1軒、家を購入した。完成は数年先だが。

・日本帰国時、実家の台所を根こそぎ片付けた。台所の偉大さを、実感した。

・日本帰国時、靖国神社を参拝した。英霊に手を合わせることができた。

・インドにご滞在中の天皇皇后両陛下にお目にかかることができた。

・夫婦揃って健康に、大晦日を迎えることができた。