坂田マルハン美穂のインド生活通信

 
 

「国際親善・協調賞」に関する説明がなされたあと、わたしのバックグラウンドなどが紹介され、その後、表彰状の授与式。なんだが照れるが、うれしいものである。

夫アルヴィンドは、投資先のボードミーティング(役員会議)に出席するため、前日の午後から北インドのチャンディガールに出張していた。参席できないのを非常に悔やんでいて、「必ず家族の誰かに出席してもらわねば」と、義姉のスジャータに出席を依頼してくれいたのだった。

スジャータは、出席を快諾してくれ、それでノープロブレムだったのだが……。

夫はどうしても出席したいということで、ボードミーティングの準備だけして、昼過ぎのムンバイ経由の便で舞い戻り、空港から直行して来てくれたのだった。

「ボードミーティングよりも、こっちの方が大事だからね」と夫。

自分で言うのもなんだが、ヴァレンタインデーらしい、実にラヴなエピソードである。

が、客観的に見るに、彼の行動は本当に、インド人らしいなあとも思う。肝要な仕事をすませたら、人に任せられるところは任せ、あとは家族の祝い事を優先する。人にさほど気を遣わないところがすごい。

Good evening every one.


I am Miho Sakata Malhan, the founder of Muse Creation. I'm greatly honored to receive the International Goodwill and Understanding Award from Rotary for the Year 2012-13. Thank you very much for choosing us.


My husband and I shifted to Bangalore from the U.S. at the end of 2005. During the first few months, I was busy settling down in the city. 

After a while, I started to pay attention to the social problems in our society. I decided to visit charity organizations which are connected to OWC, Overseas Women’s Club of Bangalore.


I wanted to learn about the actual conditions of various charity organizations. The first couple of times I visited charities by myself, but I felt that I should involve Japanese people who live in Bangalore too.


In 2008, I started holding a “Charity Tea Party” at home. I prepare sweets and drinks, welcome guests, and give a talk. The attendance fee and donated items are gifted to charity organizations. At the tea party, I give lectures on life in India.


On one occasion, when I visited an NGO with Japanese ladies, we made Origami with the children. At the time, I was very impressed by the excellent workmanship and talent in crafts that Japanese people have.


I left Japan over fifteen years ago, and I didn't have a chance to do such activities in Japan. It was an eye-opening experience for me. I strongly felt that lots of Japanese people have tremendous creative skills, and their potential should be realized for the benefit of society.


Muse Creation was launched in May 2012, as a volunteer creative group, bringing together the innovativeness of the Japanese ladies living in Bangalore. Every Friday afternoon, I open my home for Muse Creation, and we get together to do the creative activities.


We organized a Charity Christmas Bazaar last year and invited over ten NGO’s to sell their handicrafts. We also visited  NGO’s and had a great time making contributions and interacting with underprivileged children. These events succeeded beyond my expectation, and I was overwhelmed by the passion of the members of our group.


I believe that the activities of Muse Creation have meaning, not only for social contribution, but also for our lives. Most of the member of Muse Creation came to India as their spouse has moved here for business. It is a big transition and a challenge for most of them. Some of them were required to quit their own jobs before coming to India. Additionally, India and Japan are very different countries. It is not easy to accept the diversity, and adjust to the lifestyle in India.


One day, when I had lunch with few members of Muse Creation, two members told me, that in the six months after they shifted to India, they didn’t have any friends, mostly stayed at home, and felt lonely. I was really surprised.


These days, a lot of small Japanese companies are setting up in India.  Many expats working for small firms are in India as individuals, with no Japanese colleagues. It is a very difficult transition for their wives to find friends, and to get accustomed to their new lives in India.


I would like to widely open the door of Muse Creation to invite, not only people who are interested in charity activities, but also those who would like to explore the challenges and opportunities of living in India. Creative activities and positive conversations are absolutely helpful and meaningful for our lives.


The most important thing to adjust to life away from your motherland, is to develop understanding, accept differences, and respect the other culture.


I believe that contributing to our society, in our own special and small way, also gives us an opportunity to broaden our horizons, and to lead lives of meaning and significance. 


Thank you for listening to our story, and for honoring our organization’s efforts.


式典は、予定通り7時半ちょうどにスタート。まずは定例会の式次第により、ロータリークラブの連絡事項やお誕生日のメンバーたちを祝する簡単な儀式が行われる。

そしてその後は、本日のメインイヴェント。

授賞式の主賓 (Guest of Honor)は、バンガロールに本社を置くトヨタ・キルロスカー・モーターのCEOである中川宏氏。ご多忙のなか、出席してくださった。

夫はといえば、空港からの大渋滞に巻き込まれつつも、ちょうど開会のころに到着し、一番前の席に座っている。そして、それはそれはうれしそうに、ニコニコとしている。

帰宅したあとも、この表彰状を眺めつつ、

「これ、僕のオフィスに飾ってもいい?」

などと尋ねる始末。いくらうれしいからって、それはわたしのものですから。家においておきますという話である。

さて、終盤。お待ちかねのMuse Choir(ミューズ・クワイヤ)による合唱の披露だ。ジャパン・ハッバに出演できるチーム歌のメンバーが不足していることから、今回、チーム紙のメンバーも助っ人として参加してくれている。その全体をして、ミューズ・クワイヤというグループ名がついているのである。

ジャパン・ハッバで歌う予定3曲のうち2曲を披露。このごろは、週に2回の特訓をしているだけあり、すばらしいハーモニーである。観衆がぐ〜っと引き込まれているのがわかる。

授賞式の会場は、ロータリークラブのビルディング。ロータリークラブのメンバーの定例会において、授賞式が行われる。午後7時開場。まずはチャイやコーヒーとともに、スナックを食しながらの歓談タイムだ。

今日はヴァレンタインズ・デーということもあり、メンバーそれぞれにご予定があろうかとも思ったが、せっかくの機会だから、都合の合う方はぜひ参加して欲しいと依頼していた。

現在のメンバーは37名。うち13名がそれぞれに、個性豊かに艶やかな衣装に身を包んで集ったのだった。

右上の写真、わたしの右隣に座っている女性、シャマラが、今回わたしとミューズ・クリエイションを推薦してくれた人物だ。彼女は、小原流生け花の師匠。今から30年前、インドで3人目、カルナタカ州では初めて、小原流の師匠になられたという。

マルハン家のファミリーフレンドのディピカもまた小原流の師匠であり、その関係もあって、彼女とはインド移住当初から面識がある。

かつて日本に駐在していた経験がある彼女は、自分の息子が日本人女性と婚姻していることもあり、たいへんな親日家だ。

ロータリークラブからは、主賓としてもうおひとり、バンガロールの日本領事館(出張駐在官事務所)の山本信明総領事をご招待したとのことだが、先約がおありだったとのことで、祝辞が届けられていた。

これもまた、ありがたくお受け取りしたのだった。

わたしからは、5分間のスピーチ。まずは自分で原稿を作り、それをアルヴィンドに推敲してもらい、仕上がった原稿を、何度も読んで練習したのだった。

日本語の朗読でも、簡単にはいかないもの。それが英語となるとなおさらだ。速やかに読むためには、何度も繰り返して読み、自分の声を録音して不明瞭な箇所をチェックし、そこに注意してまた練習する。

そこまでするか? と思われそうだが、そこまでしないと、聞き取りやすく、しかもすらすらと、発音できないのだ。

実はここ数週間のわたしは、「なにかと自主トレ三昧」の日々である。

話がそれるが、2月24日(日)に開催される毎年恒例の『ジャパン・ハッバ(日本祭り)』において、チーム歌のメンバーとして「歌って踊る」ため、その練習をしているのである。

こんなに踊るのは、高校時代の体育祭以来30年ぶりである。まさか今更、鏡に向かって朝な夕なに踊る日が来るとは……。

この件については、後日また、「熱く」触れたいと思う。

和装、洋装、印装(?)、みなそれぞれに似合っていて、舞台が華やかになり、本当によかった。

ロータリークラブの方々からは、口々に声をかけられ、喜ばれていることが伝わって来たし、わたしたちも大いに楽しめた。

閉会の折には、両国の国歌斉唱。「君が代」、そして「ジャナ・ガナ・マナ」を歌う。どちらも本当に、麗しい歌だ。

別れ際、シャマラが感極まって涙ぐんでいた。本当にありがたいことだと思った。

誕生まもないミューズ・クリエイション。地域社会との交流を一つの目的としてスタートしたばかりにもかかわらず、ローカルのコミュニティから評価を受けたということは、時期尚早かもしれぬが、ありがたい。

しかし、だからといって、今後、肩の力を入れて張り切ることは、避けようと、実は思っている。

国際親善・協調賞。

という言葉を前にして、ひねくれたことを書くようだが、敢えて言えば、これからみんなで、いっそう力を合わせてがんばろう……という風には、思わない。

しなやかに、軽やかに、爽やかに。

楽しい時間を過ごすためには、「ほどよい加減」も大切だ。

同じ日本人とはいえ、全く異なるバックグラウンドの人たちが集まるわけで、この先、すべてが円滑に運ぶとは限らない。

だからこそ、なるたけ、各々のペースを優先して、関わってもらいたいと思うのだ。もちろん、協調性が必要な活動があることも理解した上で、敢えて書いている。

メンバーの大半は、平均3年前後のインド生活である。その中の、数カ月、あるいは数年間をこのミューズ・クリエイションと関わることになるのだろう。

そんな中で、ここを「義務的な場所」「負担に感じる場所」には、してほしくないのだ。

幾度となく記していることだが、ミューズ・クリエイションは、その敷居を低くしていたいと思う。

興味のある人は、ふらりと立ち寄ってくれていい。

ちょっと、違うな、と思ったら、引き返してくれていい。

自分のやりたいこと、ほかに夢中になれることができれば、そちらを優先してほしい。

もっともこれは、わたしの主観的な意見であり、これから先、活動が活発になるほどに、みなの意見と照らすべき事柄も増えるであろう。

ただ、少なくとも創設者としてのわたしは、そういうフレキシブルな場所を提供し続けたいと考えていることを、ここに記しておきたい。

今後はまた、より多くの人が快適に過ごせる場であるために、メンバーの人たちとの話し合いも増やせればと考えている。

なんにつけても、コミュニケーションは大切。周囲の意見や要望を聞きながら、そのときどきで、フレキシブルに対応していこうと思う。

なお、今まで金曜日の午後2時からオープンしていたサロン・ド・ミューズを、この受賞を機に、午前中から開放しようと考えている。

小さなお子さんのいる方々にとって、自由時間は午前中しかなく、その間に活動されたいという声が聞かれていた故である。

ジャパン・ハッバが終わったら、またレクチャーなどを再開しつつ、しばし「緩め」の活動にするなど、起伏をつけながら年間予定なども立てて行こうと考えている。

これからもまた、新しき何かを模索しつつ、インドの生活を楽しんでいきたいものだ。

以下は授賞式で読み上げたスピーチの原稿だ。日本語訳しようと思ったが、取り敢えずオリジナルを掲載しておく。