坂田マルハン美穂のインド生活通信

 
 

ミューズ、といえば、リンクスも、クリエイションも、ティータイムが人気である。というわけで、この日は今が旬のマンゴーを利用した毎度おなじみのフルーツタルトを焼いた。午後にはサロン・ド・ミューズもあるので、都合30数名分。午前の部は、いつものように型を使わず、ただ長方形にタルト生地を伸ばして焼く。

トッピングも、凝っている場合ではないので、ただひたすら素材を切ってちりばめる。これはこれで、かわいらしくてよい。

そんな次第で、今年は2晩にもわたって、すばらしい花をつけてくれた月下美人。来訪者のみなさんにも、すてきなひとときを提供してくれた。お疲れさまでした。来年もまた、たくさん咲いてくださいね。


【おまけ写真】夫のリクエストに応えて焼いたタルトタタン。リンゴはロイヤル・ガラを使用。バターと砂糖、レモン汁少々でじっくり煮込んだものを、タルト型に入れてタルト生地を被せて焼く。

夫の部下も、ガールフレンドを連れてやってきた。かわいい。

下は、翌日日曜日の様子。この日も、初日と同様、16輪の花が開いた。参加者は少なかったので、庭の見える部屋でワインを飲みつつ、おしゃべりしつつ「そういえば!」と時折、開花の具合を確認しつつの、ゆったりと贅沢な鑑賞会であった。

ちなみにマンゴーは、おなじみのアルフォンソ(濃いオレンジ)だけでなく、今が旬の巨大なマンゴー、IMAM PASANDを使った。レモン色。風味よく甘く、おいしいのだ。ちなみにお隣のアンドラ・プラデーシュ州、ハイダラバードが産地である。それに、ザクロの実とキウイを散らして彩り華やかに。下の円いタルトは、IMAM PASANDがメイン。

たくさん焼いたのに、なんだか足りなくなって、夫の分を残し忘れた。いつもは必ずとっておくのだけれど。

帰宅直後、開口一番「フルーツタルトは?」と夫。朝、出勤前に、タルトの焼けるいい匂いがキッチンに立ちこめていたので、食べるのを楽しみにしていたようである。

ないといったら、あからさまにご機嫌斜め。まだ、ミューズ・クリエイションのメンバーが残っているというのに。「ノープロブレム」と言いながら、目が怒っている。

というわけで、週末は「夫のためだけに」、彼の好物のタルトタタンを焼くと約束。今後は、絶対に彼の分も忘れず残しておかねば。

ところでミューズのお菓子には、「ロンパールームにおける牛乳の効果」があると思われる。世代限定の話題となるが、あの子ども向け番組「ロンパールーム」で、おやつの時間に子どもたちが飲む牛乳が、単なる牛乳にも関わらず、とてもおいしそうに見えた。

あのシチュエーションの効果とはなんなのだろう。

ともあれ、みんなで、シンプルなものを囲んで、わ〜っと味わうことの経験が、楽しい記憶として心と味覚に刻まれてくれればと思う。

おいしくできあがりました。

ところで、菓子の準備とは、それなりに手間のかかることである。ひたすらに果物を切ったり、ひたすらにリンゴの皮をむいたりと、単調な作業も少なくない。

わたしは特に根気がある方ではないが、むしろそういう時間を、このごろは大切にしようと思っている。黙々と作業をするひとときは、「瞑想」のようでもあり。いろいろと考えが巡り日もあれば、無心になれる日もある。

リンゴを剥くときには、無心であった。こういう時間、なかなかに悪くないと思えるようになったのも、実はここ数年のこと。かつては今よりもっと、せっかちだった。大人になると、少しずつ、いろいろなことが、変わってくる。願わくば、なるたけ、いい方向へと導かれたく。

面倒を、ひとつひとつ丁寧に、片付けていこう。成果は確実にある。

●そして土曜日。ついには月下美人が開花である。

年に一度、厳密には今年は2晩に亘り、月下美人が開花した。最初に鑑賞会を開催してから、今年で4回目。年々花の数を増やしている。今年は合計、32の蕾が最後まで成長し、土曜に16、日曜に16と、ちょうど半々に分かれて開花したのだった。

最初は花の多い日に鑑賞会を実施する予定だったが、こうもはっきりと2日に分かれると、最初の土曜日に来られなかった人のためにも、日曜日に見てもらいたいと思い、両日、オープンハウスとした。

月下美人については、過去にあれこれ記しているので、取り敢えず写真を残しておこう。

毎年同じような光景を撮影しているが、今年は今年の思い出として。

夕方から、蕾がどんどん、ぷっくらと膨らみ出して、それまでは決してきれいともかわいいとも思えない蕾の様子が、愛らしく見えてくる。

夕方7時を過ぎたころから、参加者が三々五々、集い始める。花は8時を過ぎたころから、少しずつ開き始めた。

途中で大雨が降り出したりと、これまでにないドラマティックな展開となったが、急に風がひんやりとして、たちまち高原の気候。それはそれで、何ともいえぬ風情であった。

本来ならば「丹誠を込めて手入れをする」べきところ、毎年、花が散ったら庭の一隅に放置しっぱなし。なにしろ、サボテン科のこの植物、普段は、昆布のようにペラ〜ンとした葉っぱが、ちっとも美しくはなく、実に「華のない」植物なのだ。

とはいえ、年に一度、こんなに素晴らしい花を咲かせてくれるのだから、少しは手入れもすべきだろうな。

今年はまた、伸びきった葉を剪定し、いつものように鉢にプスプスと葉を挿して「増殖」させよう。

それでもって、支えとなる棒などを施して、形よく成長させよう。

なにしろ、自由にさせておいたら、下の写真のように地面に這いつくばる状態である。開花したら重みで地面に触れるほどになっているゆえ。