成田からインドの首都ニューデリーまで、直行便で約9時間半。米国よりも、欧州よりも、近い場所に位置する同じアジアの国ながら、日本におけるインドの情報は、あまりにも断片的かつ限定的だ。その理由の一つに、インドは「ひと言では語れない多様性の国」であることが挙げられるだろう。


日本の約9倍の国土に、約10倍の人々が暮らす。国民の約80%が帰依するヒンドゥー教を筆頭に、イスラム教、キリスト教、シク(スィク)教、仏教、ジャイナ教など数多くの宗教が信仰されている。宗教は生活習慣に深く根付いており、各宗教の主要な祝祭日は、国民の祝日に制定されている。


日本人がイメージする「ターバン姿のインド人」はシク教徒の男性で、全人口の2%に満たない。インドは1947年に英国統治より独立した際、イスラム教国のパキスタンと分離。以来、印パ間の紛争やテロ攻撃などの緊張にさらされてきた。


多様性は言語にもみられる。インドでは、公用語であるヒンディー語、及び準公用語である英語のほか、約20もの言語が憲法で公認されている。その他の言語や方言を含めると、その数は何百にものぼる。


代表的な都市には、北インドに位置する首都のニューデリーをはじめ、西部沿岸の経済都市ムンバイ(旧ボンベイ)、IT都市として急成長を遂げている南インドの高原都市バンガロール、伝統文化を重んじる封建的な土地柄ながら、自動車産業が急成長、インドのデトロイトと呼ばれているチェンナイ(旧マドラス)、詩人タゴールや独立運動家チャンドラ・ボースらを輩出したコルカタ(旧カルカッタ)などが挙げられる。


28の州政府と6つの連邦直轄領、デリー首都圏により構成された国家は「一つの国」というよりも、欧州共同体にも似た「複数の国の集合体」のような存在感だ。


著しい貧富の差を生み出している階級社会もまた、インドの多様性を示す特徴の一つ。 憲法で全面禁止されているとはいえ、 カースト(身分制度)も 根強く残っており、婚姻や就職の際などに取り沙汰されることがある。


21世紀に入り、インドのGDPは、毎年約5~10%の間を推移する上昇率で、2007年には1兆ドルを突破。しかし、国民一人当たりの GDPは約1000ドル(2009年)と低く、貧困層の多さを物語っている。また識字率も約65%と低く(2001年国勢調査)、国民に教育が行き届いていないのが実情だ。



■正式国名 インド共和国(Republic of India)

■首都    ニューデリー(New Delhi)

■政治 議会制の政治体制を採用(二院制)

■大統領 プラティバ・パティル (Pratibha D. Patil)

■首相 マンモハン・シン (Manmohan Singh)


■面積 3,287,263平方キロメートル

■人口 約11億9800万人(2008年)

■識字率 66%(2007年)

■平均寿命 63.7歳(2009年)


■民族    インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等

■言語 18の主要言語及び800を超える方言

■公用語 ヒンディー語。英語も日常的に使用

■主な宗教 ヒンドゥー教、イスラム教、 キリスト教、 シク教、 仏教、 ジャイナ教、ゾロアスター教など












■国花:蓮(ロータス)

■国鳥:クジャク

■国の果物:マンゴー

■国の動物:ベンガル・トラ

■国歌『ジャナ・ガナ・マナ(インドの朝)』。

インドを代表する詩人、思想家であるラビンドラナート・タゴールの作詞作曲による。


■標準時間:インド標準時間(GMT+5時間半)

■通貨:1ルピー=100パイサ(1ルピー=約1.96円)


南アジアに位置する連邦共和国。パキスタン、中華人民共和国、ネパール、ブータン、バングラデシュ、ミャンマー、スリランカ、モルディヴ、インドネシアと国境を接する。

【国旗】サフラン、白、緑の横三色の中央に、チャクラ(法輪)が配されている。サフランはヒンドゥー教、緑はイスラム教、白は二宗教の和解と他宗教を表す。

【国章】仏教四大聖地のひとつ、サルナートにおけるアショーカの獅子柱頭から受け継がれたもの。

Outline of India

多様性の国、インドの概要

【国花】蓮の花(ロータス)

【国の果物】マンゴー

Marine Drive @ Mumbai, Maharashtra, India