高度経済成長に伴い、海外資本が怒濤のように流入している昨今のインド。市場の将来性を見込んで、世界各国のさまざまな業種の企業が、インドに拠点を築くべく、駐在員を派遣している。


日本でも、インドの情報が報道される機会が増え、関連書籍も少なからず出版されているようだ。しかし、日々移り変わる生活情報は、得にくいのが実情だろう。インド赴任を目前にして、どのような生活が待ち受けているのか見当がつかない方が大半であろう。


ここでは、インドで生活を始めるにあたって、知っておくと便利な予備知識や実用的な情報を、いくつかご紹介したい。また、ここに記している以外の事柄も、当サイト内で随時更新の予定なので、チェックしていただければと思う。



はじめに

〜インド赴任が決まった方と、そのご家族へのメッセージ〜


米国での10年に亘る生活を経て、わたしがインドに移住したのは2005年11月。この5年余りの歳月の濃密さは、ひと言で語るに難い。「多様性の国インド」においては、住めば住むほど、知れば知るほど、その奥深さと広さが実感され、知り得ない事柄の多さに圧倒される。


一個人が「インド生活の概論」を語るのは難しい。インドに対する見方は人それぞれ。千差万別だ。従っては、あくまでもわたし自身〈ニューデリーに生まれ、大学以降のキャリアを米国で築いたインド人の夫と、ニューヨークで出会い、ニューデリーで結婚。その後ワシントンD.C.で暮らすうちインドに住みたくなり、渋る夫をその気にさせてインド移住を実現。バンガロールおよびムンバイでの生活経験がある日本人女性〉の視点で綴っていることを、ご理解いただきたい。


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インド赴任が決まった日。「やった~!」と喜び勇んで帰宅し、妻子に報告。手に手を取り合って祝杯をあげる……という人は、多分いないだろう。妻からは「なんでインドなわけ?」と悪態をつかれ、子供からは「毎日カレーなの?」と困惑の表情で尋ねられ、赴任前から気が滅入っている人たちは少なくないはずだ。


そんな方々に敢えて言いたい。インド生活は、悪くない。価値観が揺さぶられる濃厚な経験が目白押しで、世界観が広がること必至。それを楽しむか否かはご本人次第だが、縁あって数年間暮らすことになったのであれば、陰気に過ごすより陽気に過ごす方がましというもの。ここはいっそ日本の常識をリセットし、 異次元の世界インドでの生活に挑まれることをお勧めする。


当記事は『INDO WATCHER』 2011年2月号特集記事に、加筆・修正を加えたものです。したがっては、かなり古い情報が含まれていることをご了承ください。


※下記の項目をクリックして、記事をご覧ください。


01: インドは「多様性の国」であることを、まずは理解する

02: 日本的「時間通り」の概念は、インドにはない

03: マネジメント能力を高めて、ゆとりある駐在生活を実現する。

04: 住まいの選定。日本的な感覚で選ぶなかれ

05: 不安定な電力供給事情。家電の扱いにも配慮を

06: コミュニケーション重視の社会。ご近所付き合いを大切に

07: 現金や貴重品の管理、女性は服装に配慮を

08: 年々、めざましく成長中のインド・ショッピング事情

09: 工夫次第でヘルシーな食卓が実現。料理の腕前を上げる好機

10: ヴァラエティ豊かに、外食産業も成長中。国産ワインも品質向上

11: 夫婦で、家族で、積極的に社交のシーンへ飛び込もう

12: 外国人駐在員向けのクラブなどに、積極的に参加する

13: 慈善活動などに参加、地域社会に貢献する

14: 階級社会を理解し、相手に対する敬意を忘れずに

15: 子どもこそが、たいへん。ご両親は、全面的なサポートを

16: アーユルヴェーダで体質改善。心身の健康を手に入れる

17: インドの国民的人気を集める「クリケット」を理解する

18: 多彩なテキスタイル、ジュエリーを廉価で購入。お洒落に開眼

19: 海外旅行もいいけれど、インド国内旅行のすすめ

20: 少ない娯楽の中から、「インドならでは」を見つけ出す

21: おわりに。ささやかな、しかし大切なメッセージ。


Life in India

インドで暮らすにあたってのご提案

Orange Bicycle @ Bangalore, Karnataka, India