住まいの選定。日本的な感覚で選ぶなかれ


インドには「ヴァーストゥ・シャーストラ」と呼ばれる風水がある。中国の風水の起源ともいわれており、古いところではカンボジアのアンコールワットが、新しいところでは、リライアンス・インダストリーズのムケーシュ・アンバニ会長のムンバイの新居も、その教えに従っている。ヴァーストゥ・シャーストラを意識して家を探すのは上級テクニック過ぎるにしても、日本的な感覚で「いい場所」を選ぶと、大変な思いをする。


広大なインドは気候もさまざま。赴任する都市によっても条件が異なるが、遍く共通して避けるべきは、「新築」「南向きの大きな窓」「最上階」「商業施設や往来の激しい大通りのすぐそば」といった物件。インドでは、漏水、停電などインフラストラクチャーのトラブルは日常茶飯事。新築となるとそれが際立つ。


我々夫婦は2007年、バンガロールに新居を購入したが、最初の1、2年は連発するトラブルの解消に労力を費やした。だからといって新築でなければトラブルがないかといえば、そうでもないが痛いところ。


木陰などがない南向きの大きすぎる窓は、地域によっては夏場の暑さを助長する可能性がある。同様の理由で、ビルディングの最上階も夏場、暑くなりすぎる。


我が家は5階建ての低層ビルディングのグランドフロア(1階)。庭の周囲を樹木に囲まれており、暑さ寒さが年中ほどよいため、冷暖房の設備が不要だ。ところが同じ位置の上階の家庭では、4月〜5月の盛夏の時期には連日冷房をいれている。同じ方角でも著しい温度差がある。


日当り、騒音、鳩害、場所によっては猿害など、周辺環境を把握するためにも、最低、昼夜2回は物件を訪れるべきだろう。ギザ(浴室の湯沸かし器)や冷房、天井のファンなど、備え付けの電気製品の作動状況もチェックしておきたい。


契約完了後に内装の整備や清掃が施される場合が多数なので、すぐさま引っ越しというわけにはいかない。余裕のあるスケジュールが望まれる。なお、不動産賃貸の慣行は、日本と異なるのはもちろん、都市によっても差異がある。数カ月分から1年分近くのセキュリティ・デポジットを要求されるケースもある。契約時の交渉、資料のチェックは入念に。




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インドで暮らすにあたってのご提案 04