おわりに。ささやかな、しかし大切なメッセージ


日本人に限らず、先進国からの駐在員やその家族の中には、インド生活の不満が口癖の人、目に余る傲慢さでインドを見下す人がいる。母国とはあまりにも違いすぎるインド。思い通りにいかず、耐えかねる気持ちは想像に難くないが、そればかりでは、心が荒む。


インド人である我が夫ですら、「インドでの仕事は問題だらけだ」「インド人の大半は信じるに値しない」などと、平気で無礼を口にする。しかしインドの文句を言っても、インドは変わらない。ここで働く以上、受け入れるしか方策はない。


「インドに来てやっている」という姿勢では、歩み寄れない。「インドに来させてもらっている」「仕事をさせてもらっている」という側面を、忘れてはならないだろう。「先進国」とは、あくまでも現代の、経済的な側面においてである。人間性や文化にまでも優劣を付けて、自らを上としていたのでは、協調は難しいだろう。


インド赴任を経験すれば、忍耐力が強くなり、寛容の心を学ぶだろう。多角的な視点を持ち、世界の広さを思い知るだろう。家族の絆が強くなる家庭も少なくないようだ。さらには将来、世界のどの国に飛ばされても怖くない。

長い人生のなかの、わずか数年。覚悟を決めてインドでの仕事に挑み、インド生活を楽しまれることを、切に願う。


※当記事は『INDO WATCHER』 2011年2月号特集記事に、加筆・修正を加えたものです。




HOME

 

インドで暮らすにあたってのご提案 18