「MSS: ミューズ・ソーシャルサーヴィス」は、坂田マルハン美穂が2008年より個人的に始めた、地域社会とのコミュニケーション活動です。主にバンガロール在住の日本人女性を対象に、チャリティ・ティーパーティを開催。寄付金や寄付の品々を集め、地元の慈善団体を訪問、寄付をしてきました。


活動の幅を広げるべく、2012年には、「ミューズ・クリエイション」を創設。バンガロールに暮らす日本人女性有志のメンバーと共に、更に地域社会との交流を深めるべく、活動の和を広げています。



「ミューズ・ソーシャルサーヴィス」活動開始の背景など


2005年の終わり、わたし(坂田マルハン美穂)は、10年間暮らした米国を離れ、ニューデリー出身の夫と共に、南インドのバンガロールに移住した。米国での暮らしとはまったく異なる「多様性と混沌と喧噪」に満ちあふれた日常に、戸惑いつつも楽しむ日々。


日常の生活、自分や夫の仕事などを、この地で軌道に乗せることが優先順位の上位にあり、路上にさえあふれだしている「社会問題」については、見て見ぬ振りをする日々が続いていた。しかし、1年、2年が過ぎ、さまざまな出会いや経験を重ね、これ以上、看過し続けることはできないとの思いに至った。


貧富の差が激しいインド。スラムと一般の住宅地がモザイクのように入り組む市街では、日常的に極貧の人々を目にする。ここに暮らす以上、傍観者ではいられない。自分にできる何かを模索した。


OWC(バンガロール在住の外国人女性たちのクラブ)が主催するチャリティ・イヴェントなどには、それまでも積極的に参加していたが、まずは自分の目で慈善団体を見てみようと、 OWCが支援する団体を訪問することにした。


訪問先での経験は、西日本新聞の『激変するインド』でレポートしたり、個人のブログに記したりと、文字にしてきた。しかし、さまざまな現状を見聞きするにつけ、この経験を周囲の人たちとシェアしたいと思うようになった。


慈善団体では、必ずといっていいほど、欧米人の駐在員夫人のヴォランティアを見かける。しかし、日本人女性は、たとえ関心があったとしても、言葉の問題などがあり、行動に移している人は多くはない。


そこで、バンガロール在住の日本人女性たちに声をかけて、「チャリティ・ティーパーティ」を開催することにした。2008年2月のことだ。拙宅に日本人女性を招き、手作りの菓子やコーヒー、紅茶でおもてなしをする。


ティーパーティの最中には、インド生活に役立つ各種講座も開催。ティーパーティの参加費や、持ち寄っていただく不用品は、後日、慈善団体に寄付するという流れだ。寄付の際、同行者を募り、日本人の方々にも慈善団体の現状を見ていただく。


不定期ながらも、2012年5月までに、計17回のパーティを開催、都度、慈善団体を訪問してきた。スラムの託児所、女性の自立支援施設、貧困層子女の学校、動物病院、HIV(エイズ)診療施設、ホスピスなどだ。


わずかの寄付金や不用品ながらも、非常に喜ばれる。わたしたちの活動は、一見、貧しい人たちに「施している」ようにみえて、実はこちらが学ばされ、励まされることも多く、その例は枚挙に暇がない。


たとえばスラムの託児所を訪問したときのこと。幼児らが合唱で歓迎、花の髪飾りをつけてくれた。着飾った子どもたちは、踊りを披露し、他の子どもたちは、みな大きな瞳をきらきらと輝かせ、行儀よく鑑賞している。「アンティ(おばさん)!」と呼びかけてくる子どもたちの、愛らしさといったらない。


ミューズ・ソーシャルサーヴィスの活動の幅を広げるべく、2012年5月には「ミューズ・クリエイション」をスタート。


ささやかながらも、日印の交流を実現すると同時に、縁あってインドに暮らす日本人の方々の、新しい視野の広がりのお手伝いをできればと、願っている。

MSS: Muse Social Service

地域社会とのコミュニケーション