20代のころはよく旅をした。取材旅行も多かったが、それでも飽きたらず、休暇のたびに一人で旅をした。バックパックを背負って、列車に揺られて、行きたいところへ行く。地球のどこかを、見知らぬ街を、一人さすらう。安宿に荷をほどき、ノートとペン、そしてカメラを携えて、ゆらゆらと街を歩く。ランチは公園のベンチで鳩と一緒に。疲れたら街の教会でひと休み……。無数の駅を通過し、無数の石畳を歩き、無数の鳩とランチを分け合った。


緩くのびきった時間の中で、わたしは好きなだけ、好きなことを考えた。過ぎた時間のこと、迎える時間のこと、自分を取り巻くあらゆること。移動の列車の中で雲をぼんやりと眺めながら、街角のカフェで道行く人を眺めながら、あれこれと思いを巡らせた。一人で旅をするとき、そこには途方もない寂しさが横たわる。美しい景色を見るとき、おいしいものを食べるとき、心が動く瞬間を、だれかと分かち合いたいと思う。しかしそれができないときに心を貫く寂しさもまた、振り返れば得難い感情だった。

(『街の灯』「さすらい」より一部抜粋)


一日一過去 Unforgettable Visions(遠い昔の、初期ホームページの記録)

場所の名前の覚書き Where was I ?

モンゴル旅日記 1992年自費出版した旅日記の復刻版。Mongolian Travel Diary


■ ヨーロッパ放浪のノート 1994年、欧州を3カ月間、一人旅した際のジャーナルを転載。

Around the World

A Vortex Spot, Sedona, Arizona. U.S.A. (2005)